ポストコロナのDXには、AI-ready? 2020/08/07 12:06
むかし、むかし。AIは何でもできる魔法の技術だった。開発者に何が優れているかの説明を聞くと「アルゴリズムが特殊です。非開示特許なんです。」と詳しく聞いても、何度聞いても、ちっともちんぷんかんぷん。AIを使うとなんでもできちゃう、一人でヤッてしまう、ヒト判断より圧倒的に優秀なシステムだっていう、セールスポイントはよく分かった。けれど決して腹落ちしたことはなかった。それなのに、莫大なベンチャーキャピタルを集め、投資形の応援をもらって起業家が雨後の竹の子のごとくに立ち上がって行きました。そして、残された私達のようなレガシー(伝統的)ビジネスの周りには未だにペンペン草しか生えていません。
あり余る資金を持った足長おじさんたちから投資資金を集め、本当に成功している起業家はまだわずかであり、インキュベーター(孵化器、保育器)に移動できても、そこから外界に抜け出ていない赤ん坊のほうが圧倒的に多いそうです。
AIは人類規模の課題解決につながる技術〜その活用は企業、人類の責務〜
今までも胡散臭さがたっぷり漂っていたAI技術家は、今やこのような最上級の形容詞で語られるようになっています。誰が言い出したかって? 泣く子も黙るKEIDANREN Policy&Actionからのレポートです。
人類規模の課題の解決、SDGsの達成に 課題先進国であるわが国の貢献が問われる
その答えとしてわが国では「Society 5.0」を提示 Society 5.0実現の中核技術がAI
今般のAI革命は産業展開のフェーズに進み産業や社会を新たな段階へと変革させることも可能に
各国でまとめられる戦略や原則も踏まえ、 産業界として、いかにAIの適切な活用を進め、
AIの力を使っていくかという問題意識の下、本戦略をとりまとめた
AIを知らねば、ヒトにあらずとも言うような語り出しなのです。「鉄は国家なり」と宣言していた産業界は、今度は「AIこそが国家である」と宣言しているのです。
そうなると、お茶飲み話に「これからはIoTとAIですなぁ」と雑談で濁すばかりでは困るわけです。
AI-readyなヒト
ビジネスに携わるならばその役割に応じて、AI時代に備えた準備が必要です。それをAI-ready いわばAIに備えるべく心がけのある人というのです。
リテラシー(利用者)
□すべての人がAIリテラシーを身につけるよう、教育システムを改革するから学ぶんだよ
□あらゆる個人がAIを活用するため、リベラルアーツ教育を充実するからいつでも勉強だ
□よりよい社会の実現のため、個人主体でパーソナルデータを活用するのでビッグデータを意識する
□多様な社会実現へ、AIをインクルージョン・テクノロジーとして活用するように行動しなよね
中核人材(技術者)
□さまざまな技術者がAIを活用するための「AI工学」を確立するから準備だね
□AI技術者を育成するためのリカレント教育を推進するので、年齢を理由にしてはダメ
□AI×領域*のダブルメジャー、リベラルアーツ教育を推進するからもう一度学校へ
□産学官連携のもと、AI人材に関する教育プログラム認定を推進するので勉強するんだよ
トップ人材(研究者)
□既存の教育課程の枠にとらわれない育成の仕組みをつくるから覚悟しなよ
□トップ人材が正当に評価される体制を構築するので諦めない
□AIとあらゆる学問領域*のコラボレーションを推進するから論文を書くんだ
□AIに関連した国際会議を起点に、国際的な産学官連携拠点化をはかるから海外を目指すんだ
みんな、準備はいい? Are you ready?
<プロフィール>
花房 陵
イーソーコ総合研究所主席コンサルタント。(株)アバンセ代表取締役。
物流とマーケティングのコンサルタント。
1985年より物流センター、生産工場などで物流設計および業務指導コンサルとして活動する。
ほとんどの業界の物流センターでのコンサルタント経験があり、業種に問わず対応可能なのが強み。