コロナの脅威をどう理解するか 〜アフターコロナの世界観〜 2020/05/01 00:57
コロナの脅威をどう理解するか 〜アフターコロナの世界観〜
全国での非常事態宣言が収束する目処が見えていない。なぜこんな事になっているのか、いつ収束するのか。その後の世界はどんな風景になっているのか。限りある情報源から推察を行います。
●コロナ脅威の本質は何か
全世界では依然として爆発的な感染が広がっており、中国発から欧米へ広がり、185カ国で監視が続いている。250万人は感染し、17万人がすでに死亡した。
国別の感染率や死亡率は人口比で換算すると、次表のごとくである。
我が国は対岸の火事として傍観していた体ではあるが、直近では韓国の罹患数を超えて来ている。
各国の状況はロックダウンという都市閉鎖が続き、感染者数は指数的に増えてきている。
かろうじてグラフが緩いできているのは中国と韓国だけである。
コロナウィルスの本質は、症状なきキャリアが感染源となる「見えない敵」であることだ。
治療法もなく、罹患者を特定するにはPCR検査しかなく、陽性となれば症状がなくとも隔離しなければ医療崩壊をもたらすからである。
だから日本では集団発生を抑制するために保健所が悪戦苦闘しながらも、一定の成果を収めてきた。世界には交番と保健所の制度はなく、日本では結核罹患率が高かったための社会体制がこうを奏した結果となった。
●アフターコロナの世界はどんな風景か
各国のシンクタンクは国民の生活を医療と経済の両面から支えようと、政治に関与している。欧州のロックダウンに伴う休業補償制度や給与補填は、手厚い社会保障の一環として機能しているようだ。
日本ではようやく年度末の行政予算が成立し、補正追加予算として国民生活への支援制度が固まりつつあるが、社会体制の違いが露見した体となったのは残念である。
これからの世界は元には戻らない、というのが各国の考察である。オリンピックも一年延期程度では各国の歩調が整わないだろう。1ヶ月の謹慎状態も解除される目処はなく、いずれ延長されるだろう。
これからは悪魔の選択を選ばねばならない事態になるに違いない。
シナリオ1:爆発的感染が広まり、大量の死者を容認して収束する。
シナリオ2:第2,第3の波動を経て、部分経済再開と死者の抑制を図りながら長期戦に持ち込む。
コロナウィルスはインフレエンザと同様に毎年発生して、社会を悩ますことだろう。いつしか変異を繰り返し、再び驚異となるに違いない。治療薬は早くとも2〜3年が必要であろう。(SERZ、MERSも治療薬はない)すると、ヒトを介在するコルナ対策は今後も一層必要となり、3密対策は日常となることだろう。
NEW NORMAL(新しい日常)の到来は社会を一変させるに違いない。
集中を避け、都市から回避するだろう。
動的活動から静的社会への移行が進むだろう。
医療と農業(食料)が最重要産業となり、介護・接客サービス業はロボット化するだろう。
金融サービスはゼロ金利、マイナス金利となり、専業不要となるだろう。
<プロフィール>
花房 陵
イーソーコ総合研究所主席コンサルタント。(株)アバンセ代表取締役。
物流とマーケティングのコンサルタント。
1985年より物流センター、生産工場などで物流設計および業務指導コンサルとして活動する。
ほとんどの業界の物流センターでのコンサルタント経験があり、業種に問わず対応可能なのが強み。